日本人の寿命は延びる一方で、男女ともに80歳を超えるようになりました。
しかし、長生きしても寝たきりなど身体を動かせない要介護状態は、望ましいとは言えません。
元気に活動できる、健康寿命を延ばすことこそが重要です。
健康寿命を延ばすには、介護予防が不可欠です。
介護予防を怠ると、高齢者はまず足腰から衰えてくるでしょう。
足腰が弱くなると、歩行が億劫になり、移動機能が低下します。
この状態はロコモティブシンドローム、略してロコモと呼ばれています。
健康寿命の延長には、ロコモの回避が欠かせません。
ロコモ予防には、適度な睡眠と運動が大切です。
睡眠不足では身体を動かすのが億劫で、運動しようという気にならないでしょう。
毎日のウォーキングやストレッチ体操など、軽く汗をかく程度の運動が最適です。
こうした有酸素運動に加え、無理のない筋トレも行います。
筋トレは、骨を丈夫にするほか、精神安定の効果をもたらすホルモンを分泌するので、高齢者にも不可欠なのです。
ただし、過度な筋トレは動脈硬化の原因になることから、軽い負荷に留め、筋トレ後に有酸素運動を行うことが有効です。
筋トレ後の有酸素運動は、筋肉に溜まった乳酸を排出し、動脈硬化を防ぐでしょう。
これに加え、カルシウムを摂取する食事を心がければ、骨が強くなり、転倒しても骨折を免れて要介護状態に陥らずに済みます。
介護職に就いたら、こうしたロコモに関する知識を身につけ、高齢者の健康寿命を延ばせるよう尽力しましょう。